南アルプス北部の開拓者、竹沢長衛(ちょうえい)(1889〜1958年)をしのぶ「第59回長衛祭」が24日、伊那市長谷・山梨県南アルプス市境の北沢峠(標高2032メートル)で開かれた。両市などでつくる実行委員会が主催し、青空の下、約180人が参加し、夏山シーズンの安全を祈願した。
実行委員長で県山岳協会会長の唐木真澄さん(73)=伊那市西春近=は「昨年から8月11日が山の日(国民の祝日)に制定されたが、日本には古来、山に親しむ文化があった」と話し、参加者たちに安全に登山を楽しむよう呼び掛けた。参加者は、伊那市で生産量が多いアルストロメリアを長衛の碑の前に手向け、黙とうした。
農業被害が深刻化しているシカやイノシシの肉を使って煮込んだ「成敗汁」が振る舞われ、参加者たちが味わった。山の音楽祭もあり、伊那市長谷小学校と南アルプス市の児童計23人が合唱を披露した。夫と参加した伊那市の主婦(67)は「今日はいつになく天気が良くて最高。仙水峠まで歩いてきたけれど、気持ち良く歩けました」と喜んでいた。
25日には駒ケ岳に記念登山を行う。