戸板に描かれた絵を撮影する原さん(手前)ら=27日、伊那市高遠町の樹林寺

戸板に描かれた絵を撮影する原さん(手前)ら=27日、伊那市高遠町の樹林寺

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長尾無墨の戸板絵発見 高遠藩ゆかりの画家

信濃毎日新聞(2017年6月28日)

 幕末から明治にかけて活躍した画家で、伊那市高遠町にあった旧高遠藩の藩校「進徳館」で教師を務めた長尾無墨(むぼく)(1832〜94年)が戸板に描いた絵が高遠町の樹林寺で見つかり、27日、調査が行われた。市高遠町公民館によると、無墨の作品は掛け軸を中心に上伊那地方で約40点が知られているが、戸板に描かれた作品が確認されたのは初めてという。

 樹林寺には、本堂内を仕切る12枚の戸板(高さ約178センチ、幅約85センチ)に鶴や滝、ハスなどが墨一色で描かれ、無墨がよく用いたという木の幹や岩肌の輪郭を点描する技法が見られる。禅画の題材として知られる2人の僧の姿を描いた「寒山拾得(じっとく)図」もあり、顔や髪の部分は繊細に、僧衣は太く豪快に仕上げている。

 この日は、無墨の研究を40年以上続ける同公民館館長の原和男さん(74)と市教委文化財係の大沢佳寿子さん(38)が絵の寸法を計測し、記録用写真を撮影した。いずれも幕末から明治初期にかけて描かれたとみられるという。

 樹林寺は40年ほど前に住職がいなくなったため、絵が描かれた戸板は近くの別の寺で管理されていたが、数年前、樹林寺の檀家(だんか)の要望もあって同寺に戻されていた。昨年秋、檀家が「誰が描いた絵なのか分からない」と原さんに相談。原さんと大沢さんが作品に無墨の印があるのを見つけ、本人作と確認した。

 写真撮影した大沢さんは「圧倒的な迫力で、見ているとわくわくする」と改めて感心。原さんも「見れば見るほど力作で気力の充実ぶりが伝わってくる」と話し、他にも見つかっていない作品があるかもしれないとして情報提供を呼び掛けている。問い合わせは同公民館(電話0265・94・2557)へ。

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