国宝松本城天守。うち乾小天守(右)は15日から公開を取りやめる=10日、松本市

国宝松本城天守。うち乾小天守(右)は15日から公開を取りやめる=10日、松本市

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松本城乾小天守、公開中止へ 耐震診断の結果受け

信濃毎日新聞(2017年7月11日)

 松本市教育委員会は10日、国宝松本城天守5棟のうち最も北側にある乾小天守(いぬいこてんしゅ)について、15日から公開を取りやめると明らかにした。2014年度から3年間実施した耐震診断で、震度7規模の地震が起きた場合、4階構造の1、2階部分が倒壊するとされたため。他4棟も強度不足が指摘されており、8月から天守内に警備・避難誘導員を最大10人配置。本年度中に地震を想定した避難誘導訓練も行う。

 市議会教育民生委員協議会で説明した。天守の観覧順路は現在、中央の大天守と乾小天守の間にある渡櫓(わたりやぐら)から入り、乾小天守の1、2階を回って大天守に進む。19年度以降の着工を目指す耐震対策工事が終わるまで乾小天守を巡らない順路とする。

 警備・避難誘導員は、観覧者が増減する時季に応じて人数を変える。これまで最大4人いた順路などを誘導する案内役とは別に配置する計画。既に予算化された財源で始め、本年度の残りの委託経費3770万円は、今後の補正予算案に計上する。

 松本城天守の観覧者数は混雑時に400人を超えるといい、市は耐震診断の結果を受けて既に対策を強化。天守内にはこれまで5分間隔を目安に36人を誘導していたが、7分間隔で27人に変えた。緊急地震速報を受信と同時に天守内に放送する仕組みも整えた。城管理事務所の中嶋岳大所長は「当面、安全優先対策を取る必要がある」としている。

 耐震工事は昭和の大修理(1950〜55年)以来の大規模事業となる。市教委は、本年度中に耐震対策基本計画と地震時などの避難誘導計画をまとめる。

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