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飯田線の歴史・魅力、一冊に 愛知と静岡のファン

信濃毎日新聞(2017年7月19日)

 JR飯田線の前身、三信鉄道を測量、建設したアイヌ民族の技術者川村カネト(1893〜1977年)の存在を通じ、飯田線ファンになった名古屋市の太田朋子さん(54)、浜松市の神川靖子さん(48)が、沿線の歴史や各駅の魅力を紹介する「飯田線ものがたり川村カネトがつないだレールに乗って」を出版した。8月に迎える飯田線全通80年を前に、歴史や文化に思いをはせながら飯田線に乗る楽しみ方を広めたいとしている。

 大阪府出身で、結婚を機に浜松市佐久間町に30年余り暮らした太田さんは、近くの飯田線城西駅をよく利用してきたという。2015年、友人を通じて川村の功績を初めて知った。身近な鉄路の建設にアイヌが関わっていた事実に驚き、地域の人にも知ってもらおうと、昨年、川村の半生を描く合唱劇を公演している「合唱劇『カネト』をうたう合唱団」を知人らと浜松市水窪町に招いた。仲間の一人の神川さんは、その取り組みをブログで発信した。

 「飯田線ものがたり」で、太田さんは第1部を執筆。合唱劇の原作にゆかりの人の聞き取りを基に、川村や伊原五郎兵衛(1880〜1952年)らが取り組んだ三信鉄道敷設の歴史を振り返った。太田さんは「川村さんを知り、アイヌを身近な存在に感じた。多くの人に伝えたい」と話す。

 第2部は神川さんが担当。佐久間町の下川合駅の項では、飯田市遠山郷の「霜月祭り」に似た「花の舞」を紹介。神川さんは「沿線の文化や歴史に深いつながりを感じられる」とし、今回は全94駅のうち50駅の郷土文化や景観を取り上げた。「飯田線に乗って人や風景との出会いを楽しんでほしい」と話している。

 税別2千円。問い合わせは新評論(電話03・3202・7391)へ。

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