縄文ゼミナールの初回で扱う富士見町の史跡「井戸尻遺跡」

縄文ゼミナールの初回で扱う富士見町の史跡「井戸尻遺跡」

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諏訪地方の縄文遺跡を知ろう 茅野でリレー形式の講座企画

信濃毎日新聞(2017年7月21日)

 茅野市の尖石縄文考古館は22日、同市を除く諏訪地方5市町村にある縄文遺跡を紹介する連続講座「縄文ゼミナール」を始める。例年は「内陸と海岸沿いの縄文遺跡」などのテーマを選んでいるが、今年は9、10月に縄文文化にまつわる全市的な催し「八ケ岳JOMONライフフェスティバル」が開かれるのに合わせ、近隣の遺跡への理解を深める。5市町村の文化財担当職員がリレー形式で講師を務める。

 22日は富士見町の井戸尻考古館職員、小松隆史さん(46)が「"おらあとう(私たち)"の考古学井戸尻の発掘と研究」と題し、町内の井戸尻遺跡を取り上げる。同遺跡は、住民でつくる境史学会が、在野の考古学者、宮坂英弌(ふさかず)の指導で1958(昭和33)年に発掘した。

 境史学会が保存に尽力し、同遺跡は66年に国史跡に指定された。小松さんはこうした経緯と、遺跡が地域に身近な存在であると解説する予定で、「住民が遺跡研究の基礎を築いた歴史を紹介したい」と話している。

 2回目以降は、国内で初めて縄文時代の黒曜石採掘坑跡が発見された「星ケ塔(ほしがとう)遺跡」をはじめとする下諏訪町の黒曜石鉱山や、国内最大級の琥珀(こはく)の装身具が出土した岡谷市の「梨久保遺跡」を取り上げる。

 縄文ゼミナールは20年ほど前、住民に縄文時代を多角的に学んでもらおうと始めた。当初は年1回だったが、2006年度からは連続で開講している。今回の試みについて、尖石縄文考古館職員の山科哲(あきら)さん(43)は「諏訪地方各所に学史的に著名な遺跡があることを知ってほしい」と話している。

 いずれも午後1時半〜3時。申し込み不要。資料代として100円が必要。問い合わせは尖石縄文考古館(電話0266・76・2270)へ。

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