玄関前で笑顔を見せる上田社長=富山市山田湯

玄関前で笑顔を見せる上田社長=富山市山田湯

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名湯8月1日"復活" 山田の老舗温泉旅館「玄猿楼」

北日本新聞(2017年7月27日)

 営業を停止していた老舗温泉旅館「越中山田温泉 玄猿楼(げんえんろう)」(富山市山田湯)が8月1日に再開する。経営破綻した「山田温泉」に代わり、新たな運営会社として「近江(おうみ)天秤(てんびん)商(しょう)」(同)が経営。上田健一社長は「周囲の期待は感じている。多くの人に利用してもらいたい」と意気込んでいる。

 玄猿楼は前身を含めると千年超の歴史があり、北陸地区で最も古い老舗宿とされる。それまで運営していた「山田温泉」は近年、集客に苦戦。2月に自己破産を申請し、閉館した。

 滋賀県の旅館運営会社に勤めていた上田社長は、閉館の話を聞いて独立。近江天秤商を立ち上げ、準備を進めてきた。上田社長は「スキー場や大自然のそばにありながら、市中心部やインターチェンジ、空港からも近い」と魅力を話す。

 一般客はもちろん、合宿や企業研修、修学旅行など教育に特化した客も受け入れる。増え続けるインバウンド(外国人観光客)の取り込みや、産業観光との連携、ホームページの充実にも力を入れる。館内では、雨天でも楽しめるように、キャンドル作りの体験教室も企画する。

 ロビーや風呂場の改修も終わり、9月の「おわら風の盆」前のオープンにこぎ着けた。7月28日には、住民らを招いた開業記念レセプションを開く。老舗旅館の"復活"に、電話での問い合わせは毎日あるといい、住民からの期待も高い。

 上田社長は「誰でも気軽に利用できる旅館にしたい」と力を込める。

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