能登町の国史跡「真脇遺跡」で、縄文時代の竪穴式(たてあなしき)住居を再現する「縄文小屋」の建築が進み、完成間近となっている。大工や研究者ら6人が28日、仕上げの作業として、ススキの壁づくりに励んだ。
高さ約3・5メートル、幅約5メートル、奥行き約6メートルの縄文小屋は、地面を約0・5メートル掘り下げた竪穴式の構造で、クリの木を地面に立てた掘っ立て柱で支えている。真脇遺跡で発見された木柱跡のデータを基に設計した。
縄文時代の遺跡に詳しい山梨県甲州市の大工雨宮国広さん(48)を中心に、昨年3月から石斧(せきふ)など当時の道具で建設に取り掛かり、これまでに囲炉裏(いろり)や茅葺(かやぶ)き屋根などが出来上がった。
最後の仕上げが壁づくりとなり、雨宮さんは高さ1・7メートルに切りそろえたススキを並べ、カラムシのつるで固定した。入り口側の壁を仕上げれば完成となる。
縄文小屋完成イベントが8月5日に真脇遺跡で行われ、参加者は火起こしや縄文時代の道具を使った工作を体験できる。雨宮さんが縄文人に扮(ふん)し、当時の生活を伝える芝居を披露する。