8月1〜6日に飯田市を主会場に開く「いいだ人形劇フェスタ2017」は、アマチュア人形劇団の活動が盛んな札幌市から8劇団が出演する。同市の複数の劇団で演出や監督などを務め、いいだ人形劇フェスタに何度も出演しているチェコ在住の人形劇作家沢則行さん(55)に、札幌と飯田の人形劇について聞いた。
―札幌市には、1976(昭和51)年に日本で初めて公立の人形劇場として開館した市こども人形劇場こぐま座がある。同市の人形劇の特徴は。
「市こどもの劇場やまびこ座もあり、両館で毎週末、公演がある。また、子どもから大人向けまで、毎日のように講座が開かれている。アマチュアが多く活躍し、現代的な人形劇や伝統人形芝居など多彩だ。世界的な人形劇フェスティバルを持つ飯田とは違った形で、札幌では人形劇が日常に溶け込んでいる」
―今回のフェスタには、札幌市からどんな劇団が登場するか。
「昨年、こぐま座40周年を記念して作られた野外巨大人形劇や、札幌人形劇祭で最優秀賞を受賞した高校生と大学生4人組の劇団などさまざま。(自身が作・演出する)5、6日上演の『OKHOTSKオホーツク―終わりの楽園―』では、1500年前にいたオホーツク人と呼ばれる幻の民族を題材にした。生演奏で人形浄瑠璃や砂絵など多くの手法を取り入れている」
―人形劇フェスタの意義は。
「飯田の人たちが他の地域の劇団を見て感動したということで終わらせてしまうのはもったいない。刺激を受けた人たちが新しい人形劇を作り出すことで、『人形劇のまち』が盛り上がるだろう」