武家屋敷「河合邸」から移した床柱や障子の木枠を利用した客室

武家屋敷「河合邸」から移した床柱や障子の木枠を利用した客室

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武家屋敷の建材、客室に 別所温泉の花屋

信濃毎日新聞(2017年8月17日)

 上田市別所温泉の老舗旅館「花屋」は、昨春に取り壊された旧上田藩の武家屋敷「河合邸」の建材を使って再現した客室をオープンさせた。幕末に建てられた数少ない武家屋敷を残したい―と所有者に申し出て、今年2月から既存の客室のリフォームを進めてきた。旅館の看板となる客室として、歴史愛好家らもターゲットにPRする考えだ。

 河合家は、1706(宝永3)年から上田藩を治めた松平氏に仕え、上田城二の丸橋周辺(現上田市大手)に屋敷を構えた。剣術指南役などを務め、明治以降は薬局を営んできた。河合家17代当主で「カワイ薬局」を営む河合良則さん(58)=上田市中央2=が、そば店の出店に伴い、屋敷を取り壊すことを決断。それを知った花屋取締役の飯島新一郎さん(43)が、活用を申し出た。

 10日に完成した客室は、玄関も含めると4室あり、広さは約90平方メートル。武家屋敷で目上の客を迎える時にだけ使った「式台玄関」などを忠実に再現。座敷の欄間や床柱は旧河合邸から移した。障子の裏に護衛の武士が控えていたとされるスペースや、土塀の上に和くぎを埋め込み不審者の侵入を防ぐ仕掛けも再現した。

 飯島さんは「(武家屋敷を)残したいという思いが結実した客室。細部まで再現することにこだわった」。河合さんは「宿泊客が江戸時代の上田藩に思いをはせてくれるとうれしい」と話している。

 部屋にはヒノキの露天風呂とトイレがある。1日1組限定。料金は1泊2食付きで、1人5万円(税別)。問い合わせは旅館「花屋」(電話0268・38・3131)へ。

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