飯田線が全通80周年を迎えた20日、JR東海は沿線の「秘境駅」7駅の入場券をセットにした記念入場券を、長野、愛知両県の5カ所で販売した。飯田市の飯田駅では午前10時の発売前から、鉄道ファンら100人余が行列をつくった。
販売開始4時間前から並んだという先頭の女性(28)=須坂市=は、昨年まで飯田市で暮らし、飯田線を身近に感じていたといい、「いろんな駅舎があるのが都会にはない飯田線の魅力」。
記念入場券は1セット980円で中井侍(なかいさむらい)(下伊那郡天龍村)、為栗(してぐり)(同)、田本(同郡泰阜村)など7駅の入場券と台紙がセットになっている。県内では、飯田、伊那市、天竜峡の各駅で販売。JR東海によると用意した計1600セットは昼前に完売した。
飯田駅では販売に先立って、沿線市町村などでつくる「JR飯田線活性化期成同盟会」が80周年の記念式典を開催。在来線を統括する同社の森厚人・東海鉄道事業本部長は「飯田線の楽しさを多くの人に味わってもらいたい」とあいさつした。