屋根を取り付け、ほぼ完成した半地下式の茶室「低過庵」=27日、茅野市宮川

屋根を取り付け、ほぼ完成した半地下式の茶室「低過庵」=27日、茅野市宮川

長野県 伊那路 その他

ユニーク茶室、姿現す 茅野に藤森照信さん設計「低過庵」

信濃毎日新聞(2017年8月28日)

 茅野市出身の建築史家・建築家の藤森照信さん(70)=東京=が設計した茶室「低過庵(ひくすぎあん)」を造るワークショップ(参加型講習会、WS)が27日、全8回の日程を終え、ユニークな茶室が姿を現した。同市宮川にある藤森さんの実家の畑を掘り込んで建て、下半分が地面に埋まったように見える。この日は藤森さんと県内外の約30人が屋根の内側にしっくいを塗ったり、外壁に焼いた杉板を張ったりして仕上げた。

 低過庵は、同じ畑で藤森さんが2004年に高さ6メートルの樹上に造った「高過庵(たかすぎあん)」と対になる茶室で、木造平屋5・4平方メートル。内部は大人が立って歩くことができる。屋根は開閉式で、室内に居ながら野だてが楽しめる仕組みだ。

 低過庵建築の構想は05年から温めていた。市美術館から、9〜10月に茅野市で初めて開く「八ケ岳JOMON(縄文)ライフフェスティバル」に合わせてWSで造ることを打診され、踏み切った。藤森さんは「建築は誰でも関われるのが面白い。当初のイメージより立派な出来になり、感謝したい」と喜んでいた。

 低過庵は、建物内に降りるはしごを設置したり、床にしっくいを塗ったりして9月17日にオープンする予定。同日と10月7、21日に開く見学会は参加者募集を既に締め切った。

今月のお得な国内ツアー びゅう

伊那路 ニュース