砺波市からところてんを買いに来た客と談笑する奥さん(右)

砺波市からところてんを買いに来た客と談笑する奥さん(右)

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91歳店主のところてん好評 人柄にもファン

北日本新聞(2017年8月29日)

 高岡市伏木国分の国分浜そばに、県内外から客が訪れるところてん屋がある。22年にわたり無添加にこだわってきた手作りの味と、店主の奥長信さん(91)の人柄が多くの人を引きつけている。 

 「ところてんの奥」は、一度に作る量は100人分(約18キロ)。富山湾や伊豆、四国で採れたテングサを独自の比率で配合し、3時間かけて釜で煮る。販売を手伝っていた妻・文子さんを5年前、腎臓の病気で亡くした。90歳を超え、製造から販売まで一人で行うのは大変になってきたというが、「来てくれる人がいるから頑張れる」と奥さんは話す。

 手作りのところてんは程よい歯応えと独特の風味がある。努力を惜しまず、試行錯誤した結果だ。黒酢入りの自家製たれも好評で、5袋、10袋とまとめて買っていく人もいるという。

 「奥さんと話すと元気が出る」と、なじみの客は笑顔で話す。県西部はもちろん、県東部や石川県からも人が買いに訪れる。「たかがところてん。でも、そのおかげでたくさんの人と出会えた。それが財産」。そう言って奥さんはうれしそうに目を細めた。

 今季の販売は9月10日まで。水曜定休。電話0766(44)2367。

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