穴水高生らの協力で復活したボラ待ち櫓=穴水町川島

穴水高生らの協力で復活したボラ待ち櫓=穴水町川島

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ボラ待ち櫓 若い力で組み上げ 穴水 星稜大、穴水高生ら協力 昨年倒壊のシンボル復活

北國新聞(2017年8月31日)

 昨年4月に強風で倒壊した穴水町川島のボラ待ち櫓の復元作業が30日完了し、地元のシンボルが復活した。同町と交流する金沢星稜大や地元の穴水高生らが部材の加工や組み立てに協力した。新たな櫓は大勢の観光客が集まる町の主要イベント広場からも眺めることができ、穴水の魅力を高める新たな観光資源として守り伝える。
 櫓は2012年、地元漁師グループ「中居七浦七(ななうらなな)入(いり)会」や穴水町で校外学習に取り組む金沢星稜大の学生が連携し、遊歩道「潮騒の道」沿いに設置したが、海水で支柱が腐食。強風にあおられ、昨年4月に倒壊した。
 七入会のメンバーが高齢化し、自力で櫓を再建するのは困難だったが、5年前に櫓の建設に協力した金沢星稜大人間科学部の池田幸應教授のゼミ生らが協力することになり、復元作業が始まった。池田教授は地元の高校生にも体験してもらいたいと考え、穴水高にも参加を呼び掛けた。
 作業は今年7月末から本格化し、学生らは支柱とする能登産スギの加工などに取り組んだ。今月29日から櫓の組み立てを始め、金沢星稜大生や穴水高生約50人が駆け付けた。13年に金沢星稜大と同町の地域活性化を考えるプロジェクトに参加した縁で、高崎経済大の学生8人も力を貸した。
 30日は、組み上げた支柱にはしごや見張り台を取り付け、全ての作業を終えた。新しい櫓は以前の場所から約500メートル北に設置。「雪中ジャンボかきまつり」(北國新聞社共催)の会場であるあすなろ広場からも見えるため、町の担当者は「町の有力な観光資源として有効活用していきたい」と期待を寄せる。
 金沢星稜大は今後、櫓の組み立てに参加した学生へのアンケートや地元住民との意見交換を企画し、交流人口拡大に向けた櫓の活用法を探る。来年3月までに報告書をまとめ、町に提出する。
 七入会の代表松村政揮さん(69)は「大学生たちのおかげで、誇らしい立派な櫓を建てることができた」と笑顔を見せた。穴水高2年の大西達広さんは「木は重くて大変だったけど、良い経験になった。町の伝統を引き継ぐことができてうれしい」と話した。

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