梅鉢紋など加賀藩と儀式の結び付きを紹介したコーナー=立山博物館

梅鉢紋など加賀藩と儀式の結び付きを紹介したコーナー=立山博物館

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布橋灌頂会を多角的に紹介 立山博物館が記念展

北日本新聞(2017年9月6日)

 24日に立山町芦峅寺で行われる儀式「布橋灌頂会(ぬのばしかんじょうえ)」を紹介する記念展が5日、同町の立山博物館で始まった。江戸時代、立山登拝を許されなかった女性が極楽往生を願って天の浮橋(布橋)を渡ったとされる儀式。道具や音楽、加賀藩との関係など多角的に迫っている。10月9日まで。

 儀式は明治期の廃仏毀釈(きしゃく)で廃れたが1996年の国民文化祭で復活し、現在は3年に1度開催している。記念展は「布橋灌頂会がわかる-天の浮橋にかけた白布への願い」と題して開催した。

 儀式の運営を担った旧宿坊家に伝わる「金糸梅鉢紋」や「加賀藩祈願所木札」、芦峅寺の住民が布橋の架け替えを繰り返し嘆願している文書などから加賀藩との強い結び付きを紹介。橋を渡る際の目隠しについて伝承によるものとした上で、創作とは考えにくく、「この世」と「あの世」を切り替える仕掛けとして実際に使われたと説明した。

 儀式に使われたとされるほら貝、雅楽の演奏が恒常的ではなかったことを示す史料などを展示。大量の白布を敷いて道を整えたことに触れ、江戸期に布の調達量が大幅に増えた歴史を紹介している。

 観覧料は一般200円、大学生160円、高校生以下は無料。見学者全員に展示概要をまとめた小冊子をプレゼントする。問い合わせは同館、電話076(481)1216。北日本新聞社後援。

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