会場を下見する池田さん(右)と国分さん。「晴れてほしいね」

会場を下見する池田さん(右)と国分さん。「晴れてほしいね」

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熱気球で大空へ、売木村観光の目玉に 移住の池田さんら試乗会

信濃毎日新聞(2017年9月13日)

 下伊那郡売木村の有志でつくる「熱気球に乗る会実行委員会」が18日、熱気球の試乗会を村内で開く。実行委代表の池田武さん(40)=横浜市出身=は、いずれはパイロットの資格を得て熱気球を村の観光の目玉にしたい―と、2年前に村へ移住。今回の試乗会を夢の実現への第一歩にしたいと意気込んでいる。

 試乗会は、熱気球のパイロット資格を持つ静岡市の農業田形一貴(たがたかずき)さん(24)との出会いがきっかけ。田形さんが村内のヤギ農家を見学に訪れた際に知り合って親交を深め、池田さんは今年6月、静岡市で田形さんの熱気球に搭乗。30メートルほどの高さから街を一望して、「上空から村の風景を見るという今までにない経験をお年寄りや子どもたちにさせてあげたい」との思いを強くしたという。

 池田さんは高校卒業後、都内のケーブルテレビ会社に勤め、お金をためては世界各国へ旅に出る生活を送っていた。2015年末、仲間に会うために訪れた売木村で、都会の慌ただしさがなく、ご飯がおいしい田舎暮らしに憧れを抱き、移住を決めた。

 以前から熱気球には関心があり、移住する時から熱気球で地域おこしに取り組みたいと考えていた。ただ、村温泉施設で働きながらパイロット資格を取る勉強をしたり、熱気球の購入資金をためたりするのは簡単ではなく、しばらくもんもんとしていた時の田形さんとの出会いだった。

 村在住の国分紘子さん(79)も実行委の一員。やはり以前から熱気球に憧れを抱いていたという。国分さんは「若い人の力があって実現できる。本当にありがたい」とし、「熱気球が空に上がるのを見るだけでも楽しいと思う。ぜひ見学に来てほしい」と呼び掛ける。

 今回の試乗会ではまず村民に乗ってほしいと、保育所や高齢者施設にチラシを配布。その後、一般向けに案内を出すと、2、3週間で応募が定員の100人を超えた。村外からの応募も多く、村の宿泊施設や観光施設のにぎわいにもつながるのではないかと池田さんは期待する。「熱気球で村を盛り上げたい。まず、今回のイベントで大勢に楽しんでもらいたい」と張り切っている。

 試乗会は午前6時から村民グラウンドで行う。

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