諏訪市博物館は16日、江戸時代に諏訪地方を治めた高島藩主ゆかりの品を紹介する企画展「高島藩主と菩提(ぼだい)寺」を始める。諏訪市と茅野市に残る「高島藩主諏訪家墓所」が2月に国史跡に指定された記念で、歴代藩主が菩提寺とした諏訪市湯の脇の温泉寺に残る資料や同館所蔵資料など約80点を展示する。
初代の諏訪頼水(よりみず)から最後の10代忠礼(ただあや)まで、歴代藩主の書や刀などを並べ、人となりを解説。頼水が自分をいさめた家臣をいったん罰し、その後に思い直して感謝を込めて贈ったとされる脇差しや、3代忠晴が描いた美人画などを展示した。
9代忠誠(ただまさ)の物とされる黒い甲冑(かっちゅう)は、かぶとの前立(まえだて)や胸板、手甲に諏訪家の家紋があしらわれている。歴代藩主が温泉寺に寄進した石高を表す書状や、江戸時代の温泉寺の絵図などもある。市博物館は「どのような人たちが諏訪の礎を築いたのか理解を深め、墓所に足を運んでほしい」としている。
10月29日まで。月曜と祝日の翌日は休館。入館料は一般300円、小中学生150円(諏訪地方在住、在学の小中学生は無料)。9月23日と10月21日の午後1時半から、学芸員による展示解説を行う。