射水市海老江地区(新湊)で曳(ひき)山(やま)を受け継いでいる町の一つ「西町」が、曳山の山車(だし)と曳山に載せるえびす様の衣装を新調した。山車は38年ぶり、衣装は57年ぶりに新しくなり、豪華な装飾が施された曳山がさらに美しくなった。23日に同地区で行われる「海老江曳山まつり」でのお披露目に向け、西町文化財保存会の鷲平聡会長(53)は「後世にしっかりと受け継いでもらいたい」と話す。
海老江曳山まつりは、江戸時代後期から続く海老江加茂神社の秋季例祭。3基の曳山には、それぞれからくり人形が載せられているほか、漁師の網起こしの作業歌「木(き)遣(や)り」が特徴だ。当日は、曳山から延びる綱を子どもたちが引いて地区内を練り歩く。
西町は、曳山の最上部に金色の打ち出の小づちの山車を設置している。強化プラスチック製にして軽量化を図り、引き回す際に曳山のバランスが崩れにくいよう仕上げた。
えびす様の衣装は半世紀以上の使用でほころびが目立ってきたため、山車と併せて新調。色はほとんど変えず、光沢のある緑色の上着と、だいだい色と金色が美しいはかまをそろえた。いずれも地元住民2人からの寄付金を充てた。
西町は老朽化した曳山の格納庫を昨年、移転新築するなど住民が一丸となって曳山の伝承に力を入れている。鷲平会長は「住民の結束の要となっている曳山をしっかりと守りたい」と話している。