細い線や優しい色合いで表現された宇佐美圭司さんの作品=21日、福井市問屋町3丁目のE&Cギャラリー

細い線や優しい色合いで表現された宇佐美圭司さんの作品=21日、福井市問屋町3丁目のE&Cギャラリー

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夫婦の軌跡迫る遺作展 宇佐美圭司、爽子さんの絵画や陶芸

福井新聞(2017年9月24日)

 越前海岸にアトリエを構え、制作活動に専念した画家の宇佐美圭司さんと、妻で陶芸家の爽子さんの遺作展が21日、福井市問屋町3丁目のE&Cギャラリーで始まった。絵画や陶芸品約20点で夫婦の歩んだ軌跡をたどる。10月15日まで。

 宇佐美さん夫婦は1992年、福井の海と空を眺めながら豊かな自然の中で制作活動をしようと、東京から旧越前町にアトリエを移した。2人は大きな窓から雄大な日本海が望める部屋で、励まし合いながら作品作りに没頭。爽子さんはアトリエ内に窯を作り、本格的に陶芸家としての道を歩み始めた。

 5年前に夫の圭司さんが病気で亡くなり、後を追うように昨年、妻の爽子さんもこの世を去った。2人の遺作展は今回が初めてで、娘の池上弥々さん=静岡県=と同ギャラリー代表の宮崎光二さんが企画した。

 圭司さんの作品は、油彩や水彩など13点。円と人間のシルエットを繰り返し描き、独特の世界観を表現している作品が多い。細い線で海に降る雨の筋や雪を描くなど、アトリエから見える風景も作品に影響している。爽子さんの作品は、越前の土を使った食器やスケッチ画など。宮崎さんは「仲の良かった2人の歩みをぜひ見てほしい」と話している。

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