ナノ生命科学研究所の取り組みを説明する福間教授(左)=金大角間キャンパス

ナノ生命科学研究所の取り組みを説明する福間教授(左)=金大角間キャンパス

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ナノ生命科学研究所、今年度新設 がん克服、金大に拠点

北國新聞(2017年9月27日)

 金大は今年度、角間キャンパスに「ナノ生命科学研究所」を新設し、がん克服に向けた拠点を構築する。細胞をナノレベル(ナノは10億分の1)で分析できる内視鏡を開発し、がん発症の仕組みを解明する。文部科学省が26日、世界最高水準の研究所をつくる「世界トップレベル研究拠点プログラム」で、金大を採択したと発表した。国の助成と金大の予算を合わせると、10年間で最大110億円の巨額プロジェクトとなる。
 ナノ生命科学研究所は、原子や分子を観察できる原子間力顕微鏡など、金大が強みとしている研究分野を集める。国内外から一線級の研究者を呼び込み、教職員はスタート時に40~50人、最終的に100~120人に増やす。
 原子間力顕微鏡の技術を応用して「ナノ内視鏡」を開発し、がん細胞と正常な細胞の表層や内部の違いをナノレベルで分析する。がんの仕組みを解明し、新たな治療法の開発につなげる。さまざまな生命現象をナノレベルで解明する新たな学問領域もつくる。
 文科省の世界トップレベル研究拠点プログラムは、国内の基礎研究の機能を高め、国際競争力を強める狙いで2007年度に始まった。10年計画の事業で、これまでに東大や京大など9拠点が採択され、国から集中的に支援を受けている。
 今年度は15大学・研究機関が応募し、金大と東大が採択された。金大は今年度から10年間、毎年7億円の助成を受ける予定で、同大の予算からも毎年4億円をこの事業に充てる。助成の規模は過去最大という。
 拠点長の福間剛士教授(41)=理工研究域電子情報学系=は角間キャンパスで会見し、「基盤となる技術は最初の5年間で完成させたい」と意欲を示した。同席した山崎光悦学長は「現代の人類にとって一番の課題とも言えるがんの克服に一歩でも近づきたい」と述べた。

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