舞台上で紹介される30人の旧藩当主。中央はあいさつする德川宗家18代当主の德川氏=金沢市の石川県立音楽堂邦楽ホール

舞台上で紹介される30人の旧藩当主。中央はあいさつする德川宗家18代当主の德川氏=金沢市の石川県立音楽堂邦楽ホール

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藩校の精神を未来に 全国サミット金沢大会、旧藩当主ら集結

北國新聞(2017年10月1日)

 第15回全国藩校サミット金沢大会(北國新聞社特別協力)は30日、金沢市の石川県立音楽堂邦楽ホールを主会場に開幕した。全国各地の旧藩当主30人を含む48藩の関係者約300人が「未来へつなぐ『学都金沢』の礎」をテーマに、地域に息づく藩校教育の伝統や精神を若い世代に伝える重要性を確認した。
 サミットは金沢で初開催となり、德川宗家18代当主德川恒孝(つねなり)氏や前田家18代当主前田利祐(としやす)氏をはじめ、東北から九州の旧藩当主、藩校の関係者が出席した。舞台上で30人の当主が紹介され、德川氏があいさつした。
 金沢素囃子(すばやし)保存会の演奏が開幕を飾った後、大会長の山崎光悦金大学長が「今を生きるわれわれには、藩校時代から脈々と受け継がれる学問への情熱を次世代に継承し、変わりゆく時代に即した人材の育成が期待されている」とあいさつした。
 金沢星稜大の本康宏史教授が記念講演し、加賀藩11代藩主前田治脩(はるなが)が藩校の「明倫堂(めいりんどう)」と「経武館(けいぶかん)」を設立したことなど、金沢で受け継がれてきた藩校教育の歴史を紹介した。
 德川氏や前田氏、東大史料編纂(へんさん)所の山本博文教授による記念鼎談(ていだん)が行われたほか、藩校の精神を未来へつなぐ努力をすることを盛り込んだ「金沢宣言」が発表された。
 「金澤子ども論語明倫塾」「金沢子どもはしご登り教室」など5団体が舞台で日頃の活動を披露し、会場を盛り上げ、サミット後にはホテル日航金沢で交流会が開かれた。
 最終日の1日は前田家ゆかりの地、城下町金沢の名所、伝統工芸体験の3コースに分かれ、金沢に息づく歴史や伝統文化を堪能する。サミットは来年、京都府舞鶴市で開催される。

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