県諏訪地域振興局は5日、カヌー体験会を諏訪湖と湖に流れ込む川で開いた。同振興局が目指す「諏訪湖を活(い)かしたまちづくり」の実現につなげる狙いで、諏訪地方の観光業者や市町村、県の関係者ら29人が参加。水面近くから見た川や町並みを楽しみ、流入河川をまちづくりにどう生かせるか、意見を交わした。
カヌーやカヤックの愛好者団体「諏訪湖周水路復活漕(こ)ぎあるきプロジェクト」代表の百瀬篤さん(68)=諏訪市=らが案内。2グループに分かれ、諏訪湖ヨットハーバー周辺や護岸に古い石垣がある中門川を進んだ。百瀬さんは、諏訪市内の川は江戸時代に高島城を中心とする一帯の重要な交通路だった、などと紹介した。
体験会後は、市内で意見交換会を開いた。「意外とすいすい乗れた」として観光客にも楽しんでほしいと期待する人がいた。白樺湖カヌースクール(茅野市)のスタッフは、カヌーを活用し、町の魅力や文化を案内できる人材の育成が欠かせない、と強調。諏訪湖の透明度は低く、湖水は臭いがするとし、「カヌーの後は飛び込んで遊びたくなるくらいの水質が理想」とも話した。
住民や子どもが諏訪湖の環境に関心を持つきっかけにしてほしい、川の泥を取り除いてこぎやすくしてほしい、などの要望もあった。県は、こうした意見を本年度に作る諏訪湖創生ビジョンや今後の活動に反映させるという。