「昔はおひなさまの節句に食べていたのよ」。村外からの客に郷土食「からすみ」を見せる原さん(右)

「昔はおひなさまの節句に食べていたのよ」。村外からの客に郷土食「からすみ」を見せる原さん(右)

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平均70歳の郷土食販売店 根羽で限定オープン

信濃毎日新聞(2017年10月18日)

 下伊那郡根羽村の農事組合法人「杉っ子」が今月、郷土食や特産品を扱う「杉っ子の店」を村内の国道153号沿いに土日と祝日限定で開いている。杉っ子に所属する地元の女性約15人の平均年齢は70歳。「生涯現役」といい、村内の新たな雇用の創出につなげたい―と意気込んでいる。

 杉っ子は、村内のイベントで大福やきのこおこわを販売している。いつかは店舗を開きたいと考えていたところ、客から「普段はどこに行けば買えるのか」といった声が寄せられ、背中を押される形で空き店舗を借りて営業を始めた。

 店頭には、イベントで800個が2時間ほどで完売するという人気商品の大福や、練った米粉を蒸して棒状にした村の郷土食「からすみ」などが並ぶ。日曜日は限定で、炭火焼きの五平餅も販売。どれも添加物は使わず、優しい味わいが特徴だ。ほとんどを地元の食材で賄い、地産地消を目指す。

 その日に売れ残った商品は、村内で売り歩く。車を持たず、買い物に行くのが難しいお年寄りには特に喜ばれ、「きょうは何が残ったの?」と言われるほどだ。村外から遊びに来る客に振る舞おうと、五平餅を10本以上買っていく住民もいて、村内では早くも評判だ。

 ただ、オープンしてまだ日が浅く、店の前を素通りする県外ナンバーの車がほとんど。若い人にも立ち寄ってもらいたいと、フェイスブックの使い方を勉強して宣伝にも力を入れる考えだ。15日に店に立った杉っ子の原小夜子(さよこ)さん(70)は「商品が安定して売れるようになれば、休日以外も店を開けられる」と張り切る。

 「定年退職してもまだ働ける」と原さん。1人暮らしの女性にとって、仕事の休憩時間にお茶を飲みながら、仲間とおしゃべりをすることがストレス発散につながるという。「商品を作る、売るなど、それぞれに得意分野がある。働くことが生きがいになり、いつまでも元気でいられる」

 午前10時〜午後4時。11月末まで営業し、冬季は休み。3月から営業を再開する。

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