酒米を使った商品を手にする松尾さん

酒米を使った商品を手にする松尾さん

長野県 伊那路 グルメ

塩むすび・五平餅、酒米でおいしく 飯田の業者が商品化

信濃毎日新聞(2017年10月25日)

 酒造会社の他には入手が難しいという酒米を使った五平餅と塩むすびを、飯田市本町の食品製造販売「在来屋」が開発した。酒米は「炊いて食べてもおいしくない」との固定観念があり、日本酒や甘酒以外の商品化は珍しいという。炊き方や握り方にこだわり、日本酒ファンらにアピールしていく考えだ。

 同店の主力は五平餅で、通常は県内産のコシヒカリを使っている。「さらにおいしくできないか」と考えた代表の松尾邦武さん(58)が「美山錦」「ひとごこち」といった人気の酒米に注目。生産農家を訪ね歩いたが手に入らず、試作用にと、蔵元から少量を譲ってもらった。

 松尾さんによると、酒米は中心部分に比べて外側が硬く、普通に炊くと硬めの食感になる。一方、中心部分は軟らかくなるため、精米で外側を削ると「べたつく感じ」になるという。松尾さんは精米歩合を微調整し、ガスの高温で炊くことで、蔵元も「おいしい」と納得する食味に仕上げた。

 今夏、首都圏の食品展示会に塩むすびを出品したところ、バイヤーらに好評だったため商品化を決意。「原料米の銘柄にもこだわる日本酒好きの消費者に受け入れられるのでは」と、一口サイズ(約30グラム)の真空包装で販売することにした。一般販売はせず、搾りたての新酒を振る舞う県内酒蔵のイベントなどで、日本酒と同じ銘柄の酒米を握って販売するという。

 五平餅はみそだれにもこだわり、砂糖代わりに米こうじの甘酒を使用。うま味を足すためクリームチーズを混ぜた。発売は今秋収穫分の酒米が確保できそうな12月を予定。同店での店頭販売は1本170円(税別)、真空包装は1本210円(同)とし、中央道駒ケ岳サービスエリア(駒ケ根市)などでも販売する。

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