深石典子さん宅で浴衣の着付けを教わる奈良県立桜井高の生徒=妙高市

深石典子さん宅で浴衣の着付けを教わる奈良県立桜井高の生徒=妙高市

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妙高 田舎民泊60軒参加 過去最大規模の修学旅行生

新潟日報(2017年10月31日)

 訪日旅行者の増加などで民泊が全国的に注目される中、妙高市では都市部の子どもたちを各家庭で受け入れ、田舎体験をする民泊に力を入れている。北陸新幹線の開業で同市へのアクセスが向上したことなどで、関西や首都圏の学校から問い合わせが相次いでいる。受け入れ家庭もこれまでの2倍の60軒に増えた。子どもたちの受け入れを通じて"ファン"を増やし、何度も訪れてもらうことで地域の活性化につなげようとしている。

 上越妙高駅に奈良県立桜井高校2年生234人が今月中旬、降り立った。駅前には生徒の受け入れ家庭約60軒が盛大に出迎えた。市内ではこれまでで最大規模の民泊受け入れとなった。

 同校の生徒は3、4人のグループに分かれ、1泊2日の日程で滞在。農業体験や地域の史跡巡りなど各家庭や地域の文化に触れた。一緒に夕食を作るなど、住民との交流を深めたホームステイとなった。

 着物とマナーの講師を務める西条の深石典子さん(64)宅では、女子生徒2人が深石さんから浴衣の着付けを習うなどして過ごした。2人は「妙高の人はみんな優しい」と満足げ。深石さんも「高校生と接するのは久しぶり。どういう会話をしようかと考え緊張したが、楽しい時間を過ごせた」と話していた。

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 桜井高によると、田舎体験に期待する教育効果として、多様な地域文化に触れることやコミュニケーション力の向上を上げる。

 同校の教員は「親や教師以外の大人と接する機会が少ない子どもたちが、初めて会う大人と過ごすことで積極性を養うことができる」と狙いを語る。

 今回の民泊を企画した旅行代理店の東武トップツアーズ(東京)は「都会の子どもたちが野菜やコメ、水のおいしさを知ることができるだけでも大きなメリット。修学旅行で訪れたあの田舎に住みたいと、移住する子が出てくるかもしれない」と話す。

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 児童・生徒の民泊は妙高市グリーン・ツーリズム推進協議会が中心となって進めてきた。これまでは数十人規模の受け入れが中心だったが、今回のような大規模な受け入れにつながったのは「北陸新幹線の開業効果が大きい」と同協議会の舘野智光事務局長。

 桜井高の場合、東京-金沢間を巡る修学旅行の行程で、中間地点の妙高での民泊を組み込んだという。

 同様のルートで修学旅行を検討している関西の高校などから、問い合わせが相次いでいる。今回の大規模受け入れが「突破口」(舘野事務局長)となり、2018年と19年にはそれぞれ5校の予約・仮予約が既に入っている。受け入れ家庭には代理店や学校などを通じて実費が支払われる。

 一方、市グリーン・ツーリズム推進協は町内会長らを通じたり、旅行代理店による講演会を開いたりして、受け入れ家庭を増やした。「都内と関西との中間地点にある立地と、受け入れ家庭の拡大が大規模な受け入れにつながった」として、今後もPRしていく方針だ。

◎上越、十日町が先駆け

 田舎体験を目的とした民泊について、県内では上越市と十日町市の「越後田舎体験推進協議会」が、1999年度から本格的に田舎体験の受け入れに取り組んでいる。

 2016年度は41団体3722人を受け入れた。延べ宿泊数は8402日に達するなど、県内では先駆的存在だ。リピート率は9割に達している。農作業や自然観察といった体験メニューや、ホストファミリーとの交流が人気だという。

 妙高市グリーン・ツーリズム推進協議会でもリピーターを増やし、田舎体験の民泊事業を継続させたい考えだ。越後田舎体験推進協議会の小林美佐子事務局長は「受け入れ側も楽しんで、親身に迎え入れることが大切だ」とアドバイスしている。

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