高森町の住民有志でつくる「松岡城址(じょうし)愛護会」は5日、同町下市田で「松岡城址の秋を観(み)る会」を開いた。今年で7回目。天竜川を望む段丘の先端にある城跡で、来場者が紅葉や野だて、和太鼓などの野外コンサートを楽しんだ。
松岡城址は、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」で描かれた井伊家と縁が深い豪族・松岡氏が南北朝時代に築城したとされ、堀や土塁が残っている。周辺を散策する催しに参加した地元の片桐猛さん(83)は「非常に素晴らしい山城だと再認識した」と満足げ。松岡氏や城跡について調べた地元小学生の研究成果の展示もあった。
野だてには、地元の茶道クラブや、飯田女子高校(飯田市)の生徒が協力。和太鼓演奏で訪れた飯田女子短大(同)1年の広瀬紗弥香さんは抹茶を味わい、「自然がきれいな所で飲むから、いつもよりおいしい」と笑顔だった。
愛護会長の松村一さん(72)は「『直虎』が放映されて初めてこの城を知ったという人が地元でも多い。さらに多くの人に知ってもらえればいい」と話していた。