「日本のわざと美」展の会場で、大澤さん(中央)の説明を聞きながら、作品を鑑賞する来場者=県水墨美術館

「日本のわざと美」展の会場で、大澤さん(中央)の説明を聞きながら、作品を鑑賞する来場者=県水墨美術館

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「日本のわざと美展」開幕 富山県水墨美術館

北日本新聞(2017年11月18日)

 企画展「『日本のわざと美』展-重要無形文化財とそれを支える人々」が17日、県水墨美術館で開幕した。国際北陸工芸サミットの関連企画で、人間国宝らの作品を一堂に並べ、伝統工芸の技と表現を伝える。12月17日まで。

 故人を含む重要無形文化財保持者(人間国宝)の全176人と、保持団体となっている全16団体の作品をそろえた。12月4日に作品の一部を入れ替え、会期を通じて200点を紹介する。

 会場は陶芸や染織、漆芸、人形など7分野に分けて構成。17日は文化庁伝統文化課の原唯文部科学技官が解説し、「同じ分野でも、それぞれが独自の表現を追求している。優れた仕事を想像しながら見てほしい」と話した。

 射水市出身の石黒宗麿(陶芸)ら北陸ゆかりの人間国宝を紹介するコーナーも設けた。高岡市の人間国宝、大澤光民さん(金工)は、自作「鋳ぐるみ鋳銅花器『地から宙(そら)から』」の前でマイクを握り「人間性を磨かなければ、いい作品はできないと思ってきた。他の人間国宝の皆さんもきっと同じだろう」と語った。

 制作の過程を実物で見せる工程見本も展示。漆を塗る筆など用具作りの技を伝えるパネルもあり、来場者は数々の展示に熱心に見入っていた。

 開会式で文化庁の熊本達哉文化戦略官と磯部賢県生活環境文化部長があいさつ。村下潤一北日本放送販促事業部長、中川美彩緒館長、臼田北日本新聞社常務が加わりテープカットした。

 会期中は大澤さんらによる鼎談(ていだん)や、制作実演、ワークショップなどを予定する。文化庁と県教育委員会、県水墨美術館、北日本放送、北日本新聞社主催。

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