古い空き家を改装してカフェを開店した坂上さん(右)と梨菜子さん=滑川市瀬羽町

古い空き家を改装してカフェを開店した坂上さん(右)と梨菜子さん=滑川市瀬羽町

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「滑川銀座」復活の兆し 空き家改装で開店相次ぐ

北日本新聞(2017年11月29日)

 滑川市旧町部の瀬羽町通りで古い空き家をセルフリフォームして新店を開業する動きが相次いでいる。9月に古道具店、今月中旬にはカフェがオープン。いずれも店主が歴史ある街並みを気に入った。この他にも新規開店の話があり、地元住民はかつて「滑川の銀座」と呼ばれた通りのにぎわい復活を期待している。

 瀬羽町通りは江戸時代に北陸街道の宿場町として栄えた旧町部にあり、今も古い町屋が軒を連ねている。かつては複数の映画館があり、40~50年前までは商店や銀行が立ち並ぶ「銀座通り」として親しまれたが、大型スーパーの登場などで空洞化が進んだ。

 「風情があって懐かしく、ここに懸けたいと思った」。坂上翔太さん(30)=富山市水橋畠等=は2月に偶然訪れたこの通りを、夫婦の念願だったカフェの開業場所に選んだ。自身が生まれた石川県の漁師町に似ていたほか、妻・梨菜子さん(24)が滑川高校出身だったのも大きかった。

 地元の不動産屋に問い合わせたところ、築約100年の蔵を紹介された。坂上さんは知人の助けを借りながら半年間かけて改装。歴史を感じさせるはりや柱、引き戸はそのまま残しながら、洗練されたおしゃれな空間に仕立てた。16日に「hammock(ハンモック) cafe(カフェ) Amaca(アマカ)」を開店。ハンモック席があるのが特徴で、旬の果物のパフェやプレートランチを提供する。

 古い雑貨や家具を販売する「スヰヘイ」を9月に市外から移転オープンさせた光広由香さん(44)=富山市=は過去に何度か通りを訪れたことがあり、魅力的な場所だと感じていたという。15年前までスーパーだった空き家を3カ月半かけて自身で改装した。

 通りに事務所を構える不動産業「富山中央エステート」によると、この2店舗を含め、昨年末ごろから滑川市旧町部への開業について問い合わせや見学が増えているという。代表の堀田裕司さん(55)は積極的に通りの空き家を活用するよう勧めており、数件は具体的な話にまで進展している。「最近は古い家に魅力を感じる人が多い。まだまだお店は増えそう」と話す。

 通りには国の登録有形文化財に登録された旧宮崎酒造や有隣庵といった歴史的な建物もある。ベトナム・ランタンまつりや酒蔵アートといった多彩なイベントの会場としても使われ、市の交流や文化発信の拠点となっている。

 50年余り前から通りに住む菅田栄子さん(74)はにぎわいが戻りつつある現状を喜び、「この調子でもっと店や人が増えて、夜遅くまで人が歩いていた昔のような元気ある町になってほしい」と願う。(滑川支局長・小幡雄也)

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