北斎が手掛けた読本の挿絵を展示する北斎館の特別展

北斎が手掛けた読本の挿絵を展示する北斎館の特別展

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北斎の読本挿絵に焦点 小布施・北斎館で特別展

信濃毎日新聞(2017年12月6日)

 江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎の作品を展示管理する上高井郡小布施町の北斎館は、北斎が手掛けた読本(よみほん)の挿絵に焦点を当てた特別展「読本挿絵の世界」(信濃毎日新聞社共催)を開いている。読本は江戸時代後期に流行した長編小説で、北斎は40代半ばから数々の読本の挿絵を描いた。墨の濃淡でさまざまな場面を表現した挿絵を展示した。来年1月21日まで。

 特別展では、曲亭馬琴の「椿説弓張月(ちんせつゆみはりづき)」と、馬琴らによる「新編水滸画伝(すいこがでん)」の挿絵計59点を展示。椿説弓張月は源氏の一族である源為朝(ためとも)らが琉球王国を再建する物語だ。挿絵では為朝が矢を放ったり、乗った船が難破したりする場面が描かれている。為朝が難破し、天狗(てんぐ)に救われる場面では、荒れ狂う波が細かい筆致で表現されている。

 多くの挿絵を楽しんでもらおうと読本をばらして展示。学芸員の池田憲治さん(44)は「読本はこれまで特定のページしか展示できなかった。数々の挿絵から物語も楽しんでほしい」と話している。

 午前9時〜午後5時。大人千円、高校生700円、中学生以下は無料。常設展では、英国の大英博物館と大阪市のあべのハルカス美術館に出展した怒濤(どとう)図も展示している。問い合わせは北斎館(電話026・247・5206)へ。

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