委託醸造したワインを持つ坂城葡萄酒醸造の成沢社長

委託醸造したワインを持つ坂城葡萄酒醸造の成沢社長

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坂城にワイナリー開設へ 「千曲川」特区活用

信濃毎日新聞(2017年12月7日)

 長野市でイタリア料理店とカフェを営む成沢篤人さん(埴科郡坂城町)がワイン醸造会社「坂城葡萄(ぶどう)酒醸造」(同)を設立し、来年6月にも坂城町でワイナリー(ワイン醸造所)を開設する。同町が、小規模ワイナリーを開業しやすくする広域特区「千曲川ワインバレー(東地区)特区」に認定されたことを活用。レストランも併設し、ワイン販売の拡大を目指す。

 成沢さんは2009年、長野駅近くでイタリア料理店オステリア・ガットを開店。県産ワインを多く取りそろえてきたが、当初は注文が少なかったという。ここ3年ほど県産ワインへの評価が高まり、消費が増加。県内の醸造所を訪れ、仕込みの手伝いをしているうちに「ワインを作りたい」との思いが膨らんだ。

 11年、町内に畑を借りて赤ワイン品種のカベルネ・ソービニヨンの苗木を植え、15年に委託で初めてワイン147本を醸造。今年2月、実家がある同町に坂城葡萄酒醸造を設立し、ワイナリー開設の準備に着手した。来春には、米国のワイナリーに勤める日本人の醸造担当者が入社予定で、新しいワイナリーでの自社醸造を始める。

 成沢さんは2013年、飲食店経営者ら有志で「NAGANO(ナガノ)WINE(ワイン)応援団運営委員会」を結成。代表として、長野市や松本市で県産ワインを楽しむ催しを開いてきた。日本政策金融公庫長野支店(長野市)は今回、坂城葡萄酒醸造に1億200万円の融資を決定。同社はワイナリーとレストランの整備に充てる。

 社長に就いた成沢さんは「料理やワインは地域文化。ワインは軌道に乗れば利益が伸びる。いたずらに増産せず、品質を追求しながら10年くらいかけて少しずつ生産規模を拡大したい」と話している。

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