川北町中島の工房「加藤和紙」が特産和紙「加賀雁(がん)皮紙(ぴし)」を使って来年の干(え)支(と)「戌(いぬ)」の置物を仕上げた。優れた防水、防虫効果で長持ちする雁皮紙にあやかって、幸ある日々が末永く続くようにとの願いが込められている。
干支の置物製作は、藩政期から続く雁皮紙製造を受け継いでいる8代目加藤満紀子さん(65)が15年前に始めた。桐の木くずを固めた木目込み人形の上から雁皮紙を貼り付けており、今年は体を白、尻尾を金であしらった。
3カ月かけ製作した大小2種計30体は百貨店などで販売されるほか、工房でも取り扱う。加藤さんは「持ち主を一年中見守ってくれればうれしい」と話した。