立山砂防施設群の一つ、白岩えん堤

立山砂防施設群の一つ、白岩えん堤

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立山・黒部が「20世紀遺産」に 砂防施設や発電所群

北日本新聞(2017年12月9日)

 有識者でつくる国際記念物遺跡会議(イコモス)の国内委員会は8日、後世に残したい「日本の20世紀遺産20選」を発表し、県内から「立山砂防施設群」が20選の3番目、「黒部川水系の発電施設群」が4番目と上位入りした。イコモスは世界遺産の審査に関わる学術機関。権威ある組織が選んだ20世紀遺産に入ったことで、歴史的、文化的価値が厚みを帯びた。石井隆一知事は「世界遺産登録に向けて、重要で大きな前進と考えている」と述べ、取り組みを強化する考えを示した。 

 20世紀遺産は、イコモスが日本を含む約30カ国の国内委に呼び掛けて選んでいる。日本では専門家でつくるワーキンググループ(WG)がインフラや都市公園、近代建築の作品などを選定。立山砂防、黒部川水系発電の両施設群は「上野恩賜公園と文化施設群」「国立代々木屋内総合競技場」(いずれも東京)に続く3、4番目に位置付けた。

 立山砂防施設群は、常願寺川水系にある白岩、本宮、泥谷の各えん堤などが主な構成資産。WGは「水系一貫の総合的砂防システム」と評し、海外から導入した砂防技術を発展させ、世界に広めた影響の大きさを強調した。黒部川水系の発電施設群は、黒部ダムをはじめ、日本を代表する建築家、山口文象が設計した黒部川第二発電所など約20の施設が対象。20世紀の特徴である発電施設の大規模化を象徴し、「自然と一体化した電源開発の究極」と評価した。

 工学院大(東京)で行われた会見では、WGの主査を務めた後藤治同大理事長らが選んだ理由を説明。20選入りが「ただちに世界遺産に結びつくものではない」と述べつつも、「世界遺産になる可能性を内包している」と文化的価値の大きさを訴えた。

 発表を受け、文化庁世界文化遺産室の鈴木地平文化財調査官は「直接の関係はない」としつつ「今後、世界遺産候補を協議する場で、20選を参考にする可能性はある」と話した。

 石井知事は、両施設群の20選入りを「富山にとって大変うれしいニュース」と喜ぶとともに、「関係の市町や団体など幅広い県民の皆さんと連携・協力し、取り組みを進める」と語った。

 ■イコモス 正式名称は国際記念物遺跡会議。遺跡や歴史的建造物の保全に貢献するため、1965年に設立された非政府組織(NGO)。約150カ国の有識者約1万人が所属。パリに本部を置き、各国に国内委員会が組織されている。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関として世界文化遺産の登録審査や保全状況の調査にも関わる。

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