佐渡市羽茂大崎の住民有志が、地元産そば粉100%のそばを振る舞う恒例の催し「大崎そばの会」が40年目を迎えた。首都圏からツアーが組まれるなど島内外から老若男女が訪れ、手作りの料理や郷土芸能も楽しむ集落の一大行事として定着。住民たちは「本物の素材にこだわったからここまで続けられた。これからも多くの人に来てもらいたい」と節目を喜んでいる。
会は1978年、「地元産のそば粉を使った『本物のそば』が食べたい」と、集落の婦人会が始めた。当初は年1回の開催で、地元周辺の人々だけが集まる小規模な催しだった。「大崎そばの会」の川上公紀会長(77)は「まさか40年も続くことになるとは思わなかった」と振り返る。
回を重ねるごとに、昔ながらの郷土料理や住民による郷土芸能が評判を呼び、島外から観光客が訪れるまでに。現在では定期的に年間5回開催され、催し以外でもツアーが組まれて年間約3千人が訪れる行事となった。
3日に大崎活性化センターで開かれた会には、島内外から約180人が訪れた。テーブルには、地場の野菜を使った煮しめや、天ぷら、漬物などがずらりと並び、ステージでは住民たちが「文弥人形」「相撲甚句」といった地元に伝わる芸能を披露した。訪れた人たちは多彩な芸能を楽しみつつ、打ちたてのそばにおかわりを重ねた。
13年ぶりに訪れたという新潟市江南区の男性(68)は「いつも予約がいっぱいで、ようやく来られた。十割そばや昔ながらの料理、芸能がすばらしい」と笑顔でそばを味わった。40年目を迎え、川上会長は「お客さんにも楽しんでもらえて、やはり本物にこだわってきたことが良かったと思う。今後も体力が続く限りやっていきたい」と話していた。
大崎そばの会では、31日にも大崎活性化センターで年越しそばを振る舞う。午前10時~午後1時。予約は不要。問い合わせは川上さん、0259(88)3241。