高岡銅器の象徴とされる高岡大仏=高岡市大手町

高岡銅器の象徴とされる高岡大仏=高岡市大手町

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高岡じゃないの? 日本三大仏の三つ目

北日本新聞(2017年12月13日)

 「日本三名園は兼六園、後楽園、偕楽園。では、日本三大仏は?」。県民なら国宝の奈良、鎌倉と並んで高岡大仏(高岡市大手町)を挙げるだろう。ところが今秋、IT大手のCMで岐阜市にある大仏が三大仏の一つとして紹介された。全国を見ると、地元の大仏を「三番目」に挙げる地域が複数あるようだ。実態はどうなのか、各地の住民や自治体に尋ねてみた。(高岡支社編集部・七瀬智幸)

 11月下旬、本紙に1通のメールが届いた。東京でIT大手グーグルのCMを見たという高岡市民からで、岐阜市の正法寺にある岐阜大仏が三大仏の一つと紹介されていたという。「影響力は大きく、岐阜が三番目に確定されてしまう」と不安視する内容だった。

 岐阜大仏は、1832年に完成した座像で高さ13・7メートル。大イチョウを柱に骨格は木材を組み、外部は竹を編んで粘土を塗った後、経文を貼って漆や金箔を施してある。

 高岡大仏の起源は約800年前で、当初は二上山麓にあったとされる。大火で2回焼失し、現在は3代目。住民の浄財で1933年に再建し、高岡銅器の象徴になっている。過去には全日空の機内誌などで三大仏として掲載された。

 高岡、岐阜ともホームページや観光パンフレットに奈良、鎌倉と並ぶ「日本三大仏」とうたう。高岡大仏奉賛会副会長の関久幸さん(70)は「子どもの頃から『三大仏』と言われていた」とし、正法寺の担当者も「地元で昔から使っている」と話す。

 高岡市観光交流課と岐阜市観光コンベンション課は共に「三大仏の明確な定義はない」と説明。他県でも使われていることを把握した上で、地元で親しまれていることを踏まえ、価値や魅力を発信するキャッチフレーズとして観光PRなどに役立てているという共通の認識を示した。

 全国では神戸市の「兵庫大仏」もホームページに「日本三大仏」と表記。高さ120メートルの茨城県の「牛久大仏」、日本最古の奈良県の「飛鳥大仏」なども知られている。

 日本には古くから場所や出来事を「三」でくくる文化があり、県内では三名山の立山などがなじみ深い。ただ、地域や年代によって挙がる名前が変わるケースは多い。例えば三名城は姫路、熊本、松本、大阪、名古屋と複数挙がる。

 高岡大仏のある大仏寺の井上香粋前住職は「高岡は住民が力を合わせ、心を込めて守ってきた」と言い、各地で三大仏を名乗っていることについて「それぞれの地元で大事にしていくことが大切」とも語った。他の関係者からも同様の意見が多く、誇りを胸に大仏を継承している住民たちの心意気を感じた。

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