素朴な越前焼の土色の花器を越前水仙がかれんに彩る。27日まで福井県越前町の越前陶芸村文化交流会館で開かれている「水仙と越前花器の甘いささやき展」。越前焼作家18人が一輪挿しや筒状、半円形などさまざまなデザインの花器105点を出品した。甘くさわやかな匂いが漂う中、越前焼と生け花との"共演"を楽しめる。
生け花は全て華道の草月流師範、井上和萠(わほう)さんが手掛けた。舟形の花器に水仙だけをふんだんに生けた作品は、日本海の荒波を背にりんと生える水仙の姿が目に浮かぶ。色彩豊かなバラやユリと一緒に生けられた作品も多く並び、落ち着いた風合いの越前焼が花の美しさを引き立てている。
同館の担当者は「越前焼と水仙の魅力を合わせて知ってほしい」と話している。1月6日からは同展の後期として、福井ゆかりの岡倉天心にちなんだ展示を行う。