ネタで使っているポールを手に、ポーズを決める牧野さん=東京都内

ネタで使っているポールを手に、ポーズを決める牧野さん=東京都内

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黒部からお笑いの星に 女性芸人・牧野ステテコさん

北日本新聞(2017年12月31日)

 黒部市出身の芸人、牧野ステテコさん(38)が注目を集めている。女性芸人が競うテレビ番組で2位に入り、メディアの露出が急増した。芸能活動を始めて10年余り。アルバイトをしながら生計を立ててきた苦労人だ。「もっと売れて、地元でも仕事がしたい」とブレークを誓う。

 牧野さんは今月上旬、女性芸人ナンバーワンの座を決めるテレビ番組「THE W」に出演。636組が参加した予選を勝ち抜き、決勝の10組に残った。生放送だったため「ネタを忘れないように気を付けた」と照れ笑いする。

 本番で演じたのは「ポール牧野」。コメディアンの故ポール牧さんや映画の一場面から着想を得たキャラクターだ。派手な衣装に赤い口紅を引き、長さ約180センチのポールを使ったユニークな振り付けを披露。「上から目線」で口にする自虐的なせりふが受け、存在感を発揮した。

 優勝したゆりやんレトリィバァさんをはじめ、立山町出身の押しだしましょう子さんら個性派のライバルがいる中で2位。「ラッキーだった」。放送後、情報バラエティー番組などに相次いで出演し、知名度が高まった。

 お笑いに目覚めたのは20代半ば。大学卒業後に勤めた番組制作会社を辞め、フリーターをしていた頃、芸能事務所のワークショップに参加したのがきっかけだった。「何かしたいと、ずっと思っていた。変わっている人が活躍できるのが面白かった」と話す。

 ピン芸人として、乙女やOL、全身馬の着ぐるみなど30以上のキャラクターを考案し、都内でライブをメインに活動してきた。芸の仕事だけでは食べていけず、喫茶店でアルバイトして生活費を稼いだ。

 帰省しない時期もあった。応援してくれる家族に感謝し「好き放題して申し訳なかった」と、神妙な表情を見せる。今後は県内でもライブやレポーターなどの仕事をしたい考えで「富山をアピールしたい」と力を込める。

 芸能界で活躍する同郷の先輩もエールを送る。「THE W」で審査員を務めた富山市八尾町出身のタレント、柴田理恵さん(58)は「どんどんネタをつくり、牧野さんならではの世界ができるといい」と語った。

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