神願様が仕上がり、入魂式をする住民ら

神願様が仕上がり、入魂式をする住民ら

長野県 伊那路 祭り・催し

1年の無病息災「神願様」に願う 伊那・仲仙寺で住民ら手作り

信濃毎日新聞(2018年1月4日)

 伊那市西箕輪の仲仙寺(ちゅうせんじ)で3日、1年間の無病息災を願ってわらで作る「神願(じんが)様」の奉納があった。江戸時代から続いているとされ、毎年この日に行われる恒例の行事。門前に住む住民や総代計9人が朝から半日がかりで仕上げた。

 神願様は蛇とも竜とも言われ、尾まで含めた長さは4メートルほど。大きく口を開けた頭に2本の角があり、背には十二支と同じ12本の御幣(ごへい)が背びれのように立つ。

 住民らは頭、胴体、角などを作ると、「もっときつく(締めて)」「バランスはこんなもんかな」と確認しながら組み合わせた。神願様作りは、門前の家の男性たちが代々引き継ぐ大切な役目という。三十数年携わる小池富治さん(76)はわらをなう手を休めず、「正月だが、この日は神願様を作ると決めている」。雄々しい姿に仕上がると「近年で最も良い出来だ」と喜んだ。

 住民らは住職の師田香雪(もろたこうせつ)さん(69)による入魂式を見届け、参道入り口に立つサワラにつり上げて納めた。師田さんは「例年よりふっくら仕上げてくれた。豊かな年になりそうですね」と話していた。

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