二十四節気の一つで寒さが厳しくなり始める頃とされる「小寒」の5日、県内の酒造会社では新酒の仕込み作業が最盛期を迎え、酒蔵にずらりと並んだ醸造タンクから、ふくよかな香りが漂った。
小寒から節分までの寒中は昔から酒造りに最適とされる。「満寿泉」で知られる桝田酒造店(富山市東岩瀬町、桝田隆一郎社長)では、早朝から蔵人(くらびと)が麹(こうじ)造りなどの作業に追われた。大吟醸酒の醸造タンクの中で乳白色のもろみが泡を立てながら発酵し、蔵人はかいを使ってかき混ぜていた。
大吟醸酒は熟成させ、夏以降に出荷するという。杜氏(とうじ)の畠中喜一郎さん(67)は「気温が低く仕込みがしやすいので口当たりの良い酒に仕上がっている」と話した。