3月末までの完成に向け、制作が進む「平成の御車山」=高岡御車山会館

3月末までの完成に向け、制作が進む「平成の御車山」=高岡御車山会館

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平成の御車山今春完成へ 高岡

北日本新聞(2018年1月12日)

 高岡市の伝統工芸の技術を駆使した「平成の御車山(みくるまやま)」が今春完成する。市が高岡地域文化財等修理協会に制作を委託し、今年3月末までの5年計画で進めてきた。昨年5月には展示してある高岡御車山会館を天皇、皇后両陛下が見学、関係者を激励された。改元まであと1年4カ月。「平成の職人」たちが技と情熱を結集した山車(やま)が次世代に受け継がれる。 (高岡支社編集部・七瀬智幸) 

 平成の御車山は、高岡の伝統と技術を伝え、発展を目指すシンボルとして2013年度に制作が始まった。総事業費は3億円。市民から寄付も募り、昨年末までに8500万円余りが集まった。

 山車のテーマは「平和な時代 豊かなまち高岡を象徴する 前田利長公の家族」。高岡開町の祖、利長と妻の永(えい)姫、娘の満(まん)姫の人形を置いて家族の絆を表し、山車の胴体部分に巻く幔幕(まんまく)は高岡古城公園の四季をデザインする。大きさは高さ約9メートル、幅約3メートル、長さ約5・5メートル。

 制作は職人83人で構成する高岡地域文化財等修理協会(大澤光民会長)が担い、金工、漆工、繊維、木工、彫刻の5部会が総力を挙げた。車輪に付けたカタカゴ、サクラ、チョウの飾り金具や青貝塗(ぬり)の標旗の棹(さお)など、各部材に「動く美術工芸品」と称される装飾が施してある。

 1月末以降、市民や観光客に五箇山和紙で花傘に取り付ける花をボランティアで作ってもらう。3月末までに全工程を終え、今春にお披露目される。吉田弥一郎高岡御車山保存会長(72)は「伝統を守りながら、どう活性化につなげていくのかを考え、協力したい」と言う。

 高岡御車山は、豊臣秀吉が邸宅に後陽成天皇を迎えた時に使用した御所車(ごしょぐるま)を利長が譲り受け、町人に与えたのが始まりと伝わる。毎年5月1日の祭りは、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されている。

 昨年5月には天皇、皇后両陛下が全国植樹祭出席のため来県し、高岡御車山会館を訪れた。案内した林昌男館長(63)によると、両陛下は制作途中の平成の御車山の前では、龍の螺鈿(らでん)細工に興味を示されたという。

 2018年は改元までのカウントダウンが始まり、平成の時代に思いを巡らせる一年になる。大澤会長(76)は「平成30年の節目の年に山車を完成することができ、感慨深い。次の世代にも、家族の絆の大切さを感じてもらいたい」としている。

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