溶けた金属を慎重に流し込む職人=老子製作所

溶けた金属を慎重に流し込む職人=老子製作所

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厳かに「初吹き」 高岡の梵鐘製造会社

北日本新聞(2018年1月13日)

 梵鐘(ぼんしょう)製造で国内トップシェアを誇る高岡市戸出栄町の老子製作所(元井秀治社長)は12日、同社工場で今年初めての梵鐘の鋳込み作業「初吹き」を行った。厳かな雰囲気が漂う中、職人たちは真っ赤に溶けた銅合金を鋳型に流し込み、伝統継承への気持ちを新たにした。

 鋳込んだのは宮城県涌谷(わくや)町にある天台宗の箟峯寺(こんぽうじ)(佐々木了章貫主)が発注した高さ1メートル42センチ、口径78センチ、重さ600キロの梵鐘。同寺の開山1250年記念、涌谷城主・伊達安芸宗重の350年大遠忌、東日本大震災犠牲者供養の銘文を入れた。2020年に同寺で行う大祭に合わせてお披露目する。

 同寺には「寛文の鐘」と呼ばれる有名な梵鐘があるが、金属疲労が目立ってきたため、今回の梵鐘を代替用として使用していく。

 この日は佐々木貫主ら僧侶3人が作業に立ち会った。職人たちは溶けた合金を「取鍋(とりべ)」と呼ばれる専用容器に移し、慎重に鋳型に注いだ。元井社長は「歴史ある寺の梵鐘作りで一年のスタートを切れた。今年も丁寧な仕事を心掛けたい」と話した。

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