映画で重要な役割を持つのろろ像=海の駅蜃気楼駐車場横の広場

映画で重要な役割を持つのろろ像=海の駅蜃気楼駐車場横の広場

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魚津ロケ 息のむ展開 映画「羊の木」地元試写会

北日本新聞(2018年1月23日)

 魚津市を中心に撮影された映画「羊の木」の「プレミア試写会in魚深市」が22日、魚津市の新川文化ホールで開かれた。息をのむヒューマンサスペンスに、市内外から訪れた300人が見入った。全国公開は2月3日。

 羊の木は、過去に殺人を犯した元受刑者6人が港町に移住し、地元住民の暮らしに溶け込もうとする物語。架空の都市「魚深市」のロケ地として魚津市が選ばれ、市役所や飲食店、漁港で撮影が行われた。錦戸亮が主演を務め、木村文乃、北村一輝らが出演している。

 上映に先立ち、同作でメガホンを取った吉田大八監督と村椿晃魚津市長のトークショーがあり、吉田監督は魚津について「海の色が濃く見えた。ドラマチックで緊張感があり、映画に合う」と語り、村椿市長は「見た人にいろいろなことを考えさせるインパクトのある映画」と話した。会場には撮影で使われた車や俳優陣を紹介する写真が展示された。北日本新聞社主催。

 県内では富山市のTOHOシネマズファボーレ富山、ジェイ・マックス・シアターとやま、高岡市のTOHOシネマズ高岡で上映する。

■のろろ像見に来て! 海の駅横に展示
 映画「羊の木」に登場する「のろろ」像の頭部が、魚津市の海の駅蜃気楼駐車場横の広場に飾られ、観光客らの注目を集めている。

 地元で撮影されたことを市民に知ってもらうとともに、全国からロケ地巡りとして訪れるファンに見てもらおうと設置した。

 のろろ像は劇中で魚深市の守護神として「のろろ様」の愛称で市民に親しまれている。のろろを祭って、豊漁や海と町の安全を祈るのろろ祭が行われているほか、ストーリーの中で重要な役割を担っているという。

 置かれているのは、FRP(繊維強化プラスチック)で作られ、実際に撮影に使われたもの。高さ、幅は共に約4メートル。当初は撮影終了後に処分する予定だったが、美術スタッフと撮影を通して親交を深めた市内の男性が引き取り、魚津市や映画のPRに一役買おうと展示が決まった。23日午前にはのろろ像に関する案内板も取り付けられる。市の担当者は「多くの方に見に来てほしい」と話している。展示は3月31日まで。

■ロケ地見どころ写真交え紹介 「羊の木新聞」
 映画のロケ地などを紹介する「羊の木新聞」が製作され、写真を交えて各地の特徴などを紹介している。県内の劇場などで無料で配っている。

 「羊の木新聞」はタブロイド判で8ページ。経田漁港や魚津市役所、魚津駅、しんきろうロード、富山刑務所など23カ所を取り上げ、見どころや登場シーンの説明を伝えている。吉田監督のインタビューや、ロケに携わった県民のコメントも掲載している。

 県と魚津市、石川県志賀町、「羊の木」富山PR実行委員会(事務局・北日本新聞社)が15万部作った。県内の公開劇場3館や観光協会などで配布している。

■吉田監督「人情に感謝、恩返ししたい」
 「羊の木」の吉田監督が22日、北日本新聞社を訪れ、「富山の皆さんに助けてもらった。作品を気に入ってもらい、恩返しできればいい」と語った。

 吉田監督は、撮影を通して地元の住民と交流したことを振り返り「人情味ある対応をしてもらい、ありがたかった」と感謝した。

 公開が迫り「富山出身の映画として優しく見守ってほしい」と呼び掛けた。県庁も訪れ、石井隆一知事と懇談した。

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