宙宝宗宇の掛け軸「鏡餅」

宙宝宗宇の掛け軸「鏡餅」

福井県 福井・永平寺 祭り・催し

茶の心映す掛け軸展示 京都・大徳寺の禅僧の書など10点

福井新聞(2018年1月24日)

 茶席の"主役"である掛け軸を紹介する企画展「禅僧の書画」が、福井市愛宕坂茶道美術館で開かれている。茶の湯文化と縁が深い京都・大徳寺(臨済宗)の禅僧による一行書や詩が書き添えられた絵などの掛け軸10点、寒い季節に用いられた茶道具11点が並ぶ。2月26日まで。

 同寺は鎌倉時代に成立し、千利休ら多くの茶人が参禅した。安土桃山時代から江戸後期にかけて書かれ、同美術館が所蔵する掛け軸を展示している。

 掛け軸は最も重要な茶道具で、茶席のテーマや心得を表す。翠巌宗民(すいがんそうみん)の一行書「本来無一物(ほんらいむいちもつ)」(17世紀)は「何も持っていないのが人間本来の姿。仏の世界へ行くためには迷う気持ちすら捨てなさい」の意で、太く力強い書体で表現している。天室宗竺(てんしつそうじく)が漢詩の一節を記した「名登泰山重(なはたいざんのおもきにのぼる)」(同)は「中国五山の一つ泰山のように、迷う心なくどっしりと構えよ」という意味が込められている。

 宙宝宗宇(ちゅうほうそうう)の「鏡餅」(18~19世紀)は、鏡餅の絵の右側に「今が一番の盛り上がり」を意味する詩が添えられており、おめでたいイメージを演出。「利休像」(17~18世紀)は、大心義統(だいしんぎとう)が千利休をたたえる文章と肖像画をかいた。

 茶道具は、冬季に使われていた季節感を漂わせるものを展示。重厚な雰囲気の「古伊賀耳付水指(こいがみみつきみずさし)」(17世紀)や、ツバキ文様の棗(なつめ)(19~20世紀)などが並ぶ。

 同美術館の高嶋礼(あや)学芸員は「禅僧の自由闊達(かったつ)な筆致と面白みのある画風を楽しんでもらえたら」と話している。開館時間は午前9時~午後5時15分で、期間中無休。入館料は100円(70歳以上などは無料)。

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