節分の縁起物として販売されている小判菓子=小浜市四谷町のママーストアーおばまショッピングセンター店

節分の縁起物として販売されている小判菓子=小浜市四谷町のママーストアーおばまショッピングセンター店

福井県 敦賀・若狭

小判菓子 食べればお金に困らない? 小浜

福井新聞(2018年1月30日)

 一生お金に困りませんように―。3日の節分を控え、小浜市内の菓子店やスーパーで、小判に見立てた楕円(だえん)形の焼き菓子が並んでいる。市内の一部地域で神棚に飾って食べる縁起物だ。

 小判菓子は、升に入れた豆とともに神棚に飾るのが習わしで、同市の旧市街地などで根強く残っており、大きな一升升でお供えする家庭もあるという。

 砂糖や水あめなどを混ぜたものに小麦粉を入れて生地を作り、小判形の型で焼き上げる。程良い歯応えと、ほんのり甘い素朴な味が特徴。起源は定かではないが、今も地元の菓子製造業者が製造し、1袋200円前後の価格で店頭やスーパーなどで販売している。

 同市四谷町のママーストアーおばまショッピングセンター店では、大正期から製造しているという老舗から仕入れた「福小判」(1袋85グラム入り)を、昨年12月中旬から店頭に並べている。今月下旬から販売のピークに入り「内容もデザインも変わらず、定番中の定番商品。需要の浮き沈みもなく、補充しても次々と減っていく」と同店の担当者。同社の市内3店舗で、1シーズン数千個が売れるという。

 同市住吉区長の松宮伝(つたう)さん(61)も節分を控え、小判菓子と豆を升に入れて自宅の神棚に飾った。県外に赴任した際、初めて小浜独特の風習だと知った松宮さんは「物心ついたころから当たり前の習わし。私らにとっては小浜弁で、せんなん(しないといけない)ことです」。この時季になると出回る小判菓子を、県外在住の同郷の知人に贈ると喜ばれるという。

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