日本の棚田百選の一つ、飯田市千代の「よこね田んぼ」が雪化粧し、光と影のコントラストで棚田の姿がくっきりと浮かび上がっている。前週の大雪が満遍なく一帯を覆い、人けがなくなった山あいの地に造形美を見せている。
よこね田んぼは、山の斜面約3ヘクタールに110枚の田が広がる。晴天となった29日、斜面に日が差して輝き、段差部分にできた影が1枚1枚の輪郭を描き出していた。
地元住民有志らでつくる「よこね田んぼ保全委員会」事務局の壬生健太さん(42)によると、春から秋にかけては写真撮影に訪れる人が多いが、冬はほとんど見掛けないという。展望台からの眺めがお薦めの一つといい、「ハクチョウが翼を広げたかのような大パノラマの冬景色が楽しめる」と話している。