敦賀市の金ケ崎周辺で鉄道遺産を活用した観光拠点化を目指す市は、引退した豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」の部品を譲り受ける協定をJR西日本と結んだ。外観エンブレムや運転席のマスコンハンドル、食堂車のテーブルなど、鉄道ファンから人気を集める品々。3月末までに譲り受け、金ケ崎周辺の施設で展示する方針。
トワイライトエクスプレスの先頭の電気機関車「EF81」は運行中、JR西日本敦賀運転センターに所属し検査業務が行われるなど敦賀に縁が深い。2015年3月に引退し、現在はJR西の吹田総合車両所(大阪府)と金沢総合車両所(石川県)で保管されているという。
市は車両本体の譲渡をJR西に求めてきたが、法規制などで困難なため部品に変更。本年度6月補正予算で運搬費など570万円を計上し、交渉してきた。1月29日に譲渡に関する協定を交わした。
譲り受ける予定の部品は、外観エンブレムや車体番号の印字部分のほか、寝台車のルームナンバープレートや卓上スタンドライト、食堂車のテーブル、いす、サロンカーのソファ、テーブル、運転席のマスコンハンドル、ブレーキ弁、標識灯など計125点。発がん物質アスベスト(石綿)が含まれていないかの検査を行う必要があり、一部は譲渡されない可能性もある。
市は金ケ崎周辺にある敦賀鉄道資料館やレストラン、カフェ、今後開店する店舗などへの展示を検討する。市新幹線まちづくり課は「トワイライトエクスプレスは鉄道ファンら多くの人々に人気があり、部品を有効活用して話題性を高めたい」としている。