長野市の長野高専の学生6人が11日、市内で開かれる「第15回長野灯明まつり」(7〜12日)で、善光寺境内の重要文化財「経蔵(きょうぞう)」の壁を使った「プロジェクションマッピング」を計画している。このほど現地で試験点灯を行い、満月が照らす中、プロジェクターで雪景色などの映像を投影した。
灯明まつりを主催する実行委員会によると、まつりでプロジェクションマッピングを行うのは初めて。映像は約8分で、電子制御工学科5年の笠原健さん(20)が中心となって制作。「春夏秋冬」をテーマに、雪が降る冬の景色や、桜の花びらが散る様子などをダイナミックに表現した。2017年9月に大修理を終えた経蔵を投影先にしたいと考え、寺側の了承を得た。
この日は、映像を建物の屋根や窓枠に合わせるための調整などをした。実際に投影してみて、笠原さんは「建物の表面が茶色く、はっきりと色を出せていない」と課題を確認。壁面の大きさや境内の広さに比べ、映像の動きが小さく感じたといい、「残された時間は少ないが、もっと盛り上がるように改善したい」と話していた。
同科2年の松野功武さん(17)は、雪解け水の滴が水面に落ち、波紋ができる映像に連動させながら流す音楽として、県歌「信濃の国」のメロディーを打楽器の音で作った。「映像のイメージと音がかみ合わなかったので、他の音も加えたい」と話していた。
プロジェクションマッピングは午後6時〜8時半に、15分おきに投影する予定だ。