5月の国重要無形民俗文化財・城端曳山(ひきやま)祭に向け、ことしの当番町を務める大工町の若連中が5日、南砺市城端の町家じょうはな庵で庵唄(いおりうた)の寒稽古を始め、三味線やしの笛、唄に磨きをかけた。
約300年の伝統を誇る祭では、豪華絢爛(けんらん)な曳山と共に、料亭や茶屋を模した庵屋台で若連中が庵唄を奏でる。江戸端唄(はうた)の流れをくむ粋な音色で情緒を引き立てる呼び物の一つで、6カ町の若連中がそれぞれ、寒稽古から祭へ向けて本格始動する。
この日は同町の若連中「冠友会(かんゆうかい)」のメンバーが集まり、ことしの祭りで披露する曲「玉川」を練習。三味線やしの笛を演奏し、粋な音色をしっとりと響かせた。同会代表で6カ町の若連中を束ねる庵連合会長の小原好喬(よしとも)さん(38)は「歴史ある祭の意義を認識し、誇りと自信を持って取り組んでいく」と意気込んだ。
他の町内も順次、稽古に入る。祭は5月4日に宵祭、5日に本祭が行われる。