若月さん夫婦が生前集めていたこけし=長岡市大手通1のアオーレ長岡

若月さん夫婦が生前集めていたこけし=長岡市大手通1のアオーレ長岡

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柔和なこけし癒やしの展覧 引き取り手募る アオーレ長岡

新潟日報(2018年2月6日)

 長岡市で暮らしていた故若月新一さん、故秀子さん夫婦が生前収集していた東北地方などのこけしが、同市のアオーレ長岡で展示されている。大小さまざまなこけし約300点が、柔らかい表情でほほ笑む。こけしを所有する市内のNPO法人関係者は「多くの市民に魅力を知ってもらいたい」としている。

 かつて小学校の校長を務めていた新一さん。こけしの優しい表情などに魅了され、妻の秀子さんとともに40年以上にわたり、東北地方などに旅行に出掛けてはこけしを買い求め、約600点を収集。自宅の一室を展示専用スペースにするほどの熱心さだったという。

 新一さんは2007年に、秀子さんは14年に他界。夫婦の死後、空き家の活用相談を行うNPO法人「すまいるらいふサポート」(長岡市)が秀子さんの兄から、夫婦の住居の売却について相談を受けた。その際に「妹夫婦がせっかく集めたこけしを一度でいいので、長岡の人々に見てもらいたい。その上で引き継ぎたいという方がいればありがたい」と伝えたという。

 その後、秀子さんの兄も亡くなり、残った住宅も買い手が付いた。こけしを一時的に引き取っていた同NPOが、ながおか市民協働センターに活用方法を相談し、今回の展示会が実現した。

 アオーレ内の同市民協働センター近くに、夫婦のコレクション約600点のうち約300点が並ぶ。宮城県の鳴子温泉や蔵王、青森県の津軽など東北地方を中心に全国各地のこけしがずらり。ひょっとこやおかめの顔のものもある。5センチから60センチ超まで大きさもさまざまだ。

 夫婦は生前「こけしを見たい」と希望する人を自宅に招くのを楽しみにしていたという。同NPOは、こけしの引き取り希望者を探しており、「大勢の人が訪れる施設などに手を挙げてもらえれば、若月さん夫婦にも喜んでもらえるのではないか」としている。

 展示会は12日まで。

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