拝観式で、「一之御渡り」の近くを慎重に歩く八剣神社の宮坂宮司(右)と氏子=5日午前9時5分、下諏訪町西高木

拝観式で、「一之御渡り」の近くを慎重に歩く八剣神社の宮坂宮司(右)と氏子=5日午前9時5分、下諏訪町西高木

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諏訪湖、厳かに拝観式 5季ぶり御神渡り

信濃毎日新聞(2018年2月6日)

 2013年1月以来、5季ぶりに諏訪湖で「御神渡(おみわた)り」の拝観式があった5日。八剣神社(諏訪市)の宮坂清宮司(67)らは、雲間から時折日光が差す湖上を厳かに進み、神事を終えた。住民や観光客らも早朝から詰め掛け、神秘的な眺めを目に焼き付けた。

 午前7時ごろ、八剣神社に集まった参列者約70人を前に、大総代の宮坂英木さん(73)は「天候に恵まれ、最高の御神渡り日和」とあいさつ。一行はそれぞれ肩にしめ縄を掛けて湖へと向かった。

 「一之御渡り」の起点「下座(くだりまし)」が確認された諏訪市豊田の湖畔には120人ほどが並び、拝観式の開始を待ちかねた。氷が薄い場所もあり、諏訪署員は「散らばってください」と呼び掛けた。宮司らが氷の筋に沿って歩きだすと、カメラが一斉に追った。

 上田市から訪れた宮坂諭さん(27)は「長年、自然現象を記録してきた諏訪の歴史や文化の厚みを感じた」と感心。諏訪八剣太鼓保存会(諏訪市)の6人は神事の間、太鼓と笛の演奏で盛り上げた。会員の佐々木和実さん(53)は「神聖な神事で太鼓をたたけるのは光栄」と胸を張った。

 今季の諏訪湖は1月半ばにいったん大部分の氷が解けた。1月5日から毎朝、諏訪湖を観察し続けた同神社の監視総代、藤森薫さん(62)は「途中で雨が降った時は『駄目かもしれない』と思った。(任期2年の)総代の間に出現したことはありがたいのひと言です」と安堵(あんど)。同じく監視総代の岩本敏雄さん(61)は「待ち望んだだけあって喜びもひとしお。今後、暖かい日が続いてもしばらくは解けないでほしい」と願った。

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