蚕の神に感謝し、繭の豊作を願う初午(はつうま)の「繭玉団子」作りが7日、白山市白峰地区で行われ、住民が蚕の繭に見立てた白い団子を木の枝に取り付けた。
白峰、桑島地区では藩政期から昭和40年代ごろまで養蚕業が盛んで、集落のほとんどの家庭で毎年、繭玉団子が作られていた。過疎高齢化によって、両地区で伝統を受け継ぐのは現在1軒のみとなっている。
県内各地で養蚕を指導してきた山口春風(はるかぜ)さん(96)方では、山口さんと近隣住民3人、「緑のふるさと協力隊」として白峰に住む田邊絵夢(えむ)さん(21)が米粉を丸めて作った団子を次々とコブシの枝に飾り付け、蚕の神が描かれた掛け軸の前に供えた。
山口さんは「今年は若い子が手伝ってくれてうれしかった。大切な伝統で、自分が生きている間はずっと続けたい」と話した。