長岡市内の製造業者が連携し、ものづくりの体験イベントを市内外で開いている。アルミ、木、アクリルと異なる素材を扱う3社が昨春から、ものづくりの楽しさを体験してもらおうと実施。17日にも長岡市内で開く。メンバーたちは「製造業の仕事を知ってもらい、未来の職人が生まれるきっかけになればうれしい」としている。
3社はアルミ鋳物製造のアルモ(大荒戸町)、発泡スチロールや木を使った模型製作の大塚木型製作所(北陽2)、機械彫刻やアクリル加工のクワバラ(関原南1)。「ものづくりえんにち」と銘打ち、昨春から7回にわたり長岡、新潟、三条の各市で体験イベントを開いてきた。親子連れを中心に口コミなどで人気を集めている。
会場では各社が得意とする素材を使った体験コーナーを開設。アルミ製の酒器を使った寄せ植えや木製のインテリア雑貨、アクリル製のキーホルダーを作ることができる。
体験イベントを企画したのは、ものづくりを体験する場が少ないことや、一般消費者が普段目にすることがあまりない自社の技術を知ってもらおうと考えたのがきっかけだ。
3社は企業向けの仕事をメインにしており、クワバラの桑原昭治社長(44)は「自分たちが何を作っているか消費者には分からない部分が多い。体験内容を考えたり、イベントを広報したりと慣れないこともあるが、お客さんの反応を見られるのは貴重な機会」とプラスに捉える。
体験内容も小物に飾り付けをする簡単なものだけでなく、小型の工作機械を用意し、削りや穴開けなど製造業の仕事の一端を垣間見えるよう工夫している。アルモの柴木樹社長(52)は「今後は工場に足を運んでもらい、現場で体験できる機会もつくりたい」と意欲を示す。将来的には3社による新商品開発も目標の一つだ。
大塚木型製作所の矢代慎也専務(39)は「ねじ回しの経験がない子どももいるので自分の手を使って作業をしてほしい。将来も長岡のものづくりが続くよう活動したい」と話している。
17日はハイブ長岡内にある市産業展示室で午前10時~午後3時に行う。問い合わせはクワバラ、0258(46)6013。